TOP > 富山無念…逆転負け 日本一目前…小山内9回追いつかれ11回力尽く

2008年10月29日掲載

富山無念…逆転負け 日本一目前…小山内9回追いつかれ11回力尽く

BCリーグ優勝の富山サンダーバーズは2−3と逆転負け、独立リーグ日本一を逃した。2連敗後、四国・九州IL覇者の香川オリーブガイナーズ2連勝し、逆王手をかけていた富山は、4回に先制し、5回には山内匠二(28)が右前適時打。投げては188賊ο咫μ效智朗(26)が好投したが、8回に失策絡みで1点を許すと、9回1死三塁にエース右腕・小山内大和(26)が同点打を浴び、延長11回で力尽きた。

〈鈴木監督涙なし〉
涙はなかった。富山・鈴木康友監督(49)は、すっきりとした表情で激闘を振り返った。「あとアウト2つまでいったけど、これも野球。悔いはない」敗戦の瞬間ベンチの最前列で胸を張った。ただ、試合途中から降り出した冷たい雨が、背番号81の背中を打っていた。

楽しみながら、独立リーグの頂点を目指した。グランドチャンピオンシップへ、練習を再開させた13日。「ここまで試合をできるチームはない。楽しんでいこう」相手は昨年石川を圧倒した香川。自然と肩に力が入る選手たちを集め、指揮官はきっぱりと言った。

独立リーグの先輩の壁は厚かった。第2戦までの2試合はわずか4安打。2連続で香川の好走塁に屈し、一気に王手をかけられた。それでも、姿勢は変えなかった。リーグ戦中はふがいないプレーをした選手に、手を上げたこともあったが、敗戦のロッカールームで、選手たちを笑顔で出迎えた。「短期決戦は何が起こるかわからない。地元でドラマを作ろう」がけっぷちに立たされても、笑顔は崩さなかった。

〈逆王手も無念…〉
祈りは通じた。25日はエース小山内が2失点完投し、第4戦は2年間で1度も完封勝利経験のない139善ο咫ε鎮羚Ъ 24)が完封。地元で逆王手をかけた。「1分1秒でも、時間が戦いが止まってほしかった」心の底から、この戦いを楽しんでいた。

最終決戦は最後までもつれた。日本一まであとアウト2つのところで同点に追いつかれ、最後は延長11回で屈した。それでも「はしみたいにポキッと折れる選手かもしれないが、束ねたら強くなる。負けたけど、いい試合を見せられた」今季82試合目の戦いに悔いはなかった。

来季、鈴木監督は3年契約の3年目を迎える。正式な契約交渉は今後だが、永森茂球団社長は「前、後期と優勝して、成績的には問題ない」と続投を打診する見込みで、鈴木監督も「また来年。日本一を目指して頑張りたい」と09年に意欲を示した。勝負の年。来年、50歳を迎える指揮官は、この悔しさを必ず大きな歓喜に変えるつもりだ。

〈プロ注目野原不完全燃焼〉
ドラフト候補の4番・野原は、不完全燃焼に終わった。3打席連続四球の後は、8回1死で一、二塁間を抜けるヒット。しかし、一発を期待された延長11回にはスライダーで三振。「あそこで振ってしまうところが今の実力。みんなに申し訳ない」と肩を落とした。

因縁の香川戦だった。国士舘大4年の秋、香川のトライアウトに挑戦。しかし、その前夜に交通事故に巻き込まれ、むち打ちで受験を断念。その後、富山を受け合格した。「受かれば向こうに行こうと思っていた」と複雑な思いもあった。

惜しくも日本一は果たせなかったが、阪神とロッテ、オリックスから調査書が来ており、ドラフト指名も有力だ。「今は不安と期待が両方。どっしりと構えて当日を迎えたい」と気持ちを切り替え、30日を待つ。

プロフィール

とやま・いしかわ報知
「スポーツ報知」にて富山、石川に密着したスポーツ記事を掲載中。

カテゴリ