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33野原 祐也 アーカイブ

2008年11月08日掲載

野原 祐也〜野原体重おしぼり君です

〈育成1巡目指名あいさつ〉
プロ野球のドラフトで、阪神から育成1巡目で指名を受けた富山サンダーバーズの野原祐也外野手(23)が7日、立山球場で指名あいさつを受けた。阪神からは池之上格スカウト課長が出席。現在、リーグ戦中から体重3キロ増で85キロの野原だが、来年1月の新人合同自主トレの前に「ベストな状態に持っていきたい」と“ダイエット”に取り組み、戦える体を作ることを誓った。

〈指揮官から苦言〉
デッドボールよりも“痛かった”。指名あいさつ前の立山球場。ティー打撃で汗を流していた野原に、富山・鈴木康友監督(49)がポツリと言った。「だんだん顔が丸くなってきたな。朝青龍みたいになってきたぞ」2年間お世話になった指揮官の言葉に“おかわり君”は苦笑いするしかなかった。

富山での最後の試合となった香川戦から10日後。野原の体は確実に大きくなっていた。82試合に及ぶ戦いを終え、現在は優勝祝勝会などが続く生活。「嫌いな物はない。食材はすべて好き」という野原は、連日のように食べまくり、リーグ戦期間中のベスト体重82、83キロから、この日までに85キロとなっていた。「オフはいつも体重が増える」と話すが、今年3月には90キロになったこともあり、今季の開幕直後、打率は低空飛行。太りやすい体質が、50メートル走5秒9の快足の足かせになったことは間違いない。

〈体質改善に着手〉
同じ失敗は繰り返さない。そのカギを握るのが昨年、富山入りする前に購入した料理本だ。これまでトイレで見る程度だったが、これからは「活用していきたい」。鶏肉中心のカロリーの少ない食事に制限して、今月中旬からは西武のG・G・佐藤外野手(30)と合同練習。1月の新人合同自主トレの前に、完全に体を絞り上げるつもりだ。

6日には、阪神の大ファンとして知られるタレント・松村邦洋から激励の花束が贈られ、池之上スカウト課長からは「外野の一角に食い込めるよう、気持ちの強さを前面に出して欲しい」と期待された。新入団選手発表は12月中旬に行われる。「まずはけがをしない丈夫な体を作りたい」と野原。甲子園でプレーするためのダイエット生活で、富山の最強打者は最高の戦闘態勢を作り上げる。

2008年11月05日掲載

野原 祐也〜GG佐藤に弟子入り GO!!GO!!野原

〈阪神育成1位〉
プロ野球のドラフトで、阪神から育成1巡目指名を受けた富山サンダーバーズの大砲・野原祐也外野手(23)が、今月中旬から西武のG・G・佐藤外野手(30)と合同練習を行うことが4日、明らかになった。3日に行われたファン感謝祭で、野原は最後のユニホーム姿を披露。西武優勝の原動力となった北京五輪日本代表から技術と強いハートを学び、NPBに乗り込むことを誓った。

〈見習うこと多い〉
富山の“おかわり君”が「きもてぃー」の絶叫パフォーマンスでおなじみのレオ戦士から、一流の技を盗む。4日、立山球場で自主トレを行った野原。「GGさんはもうNPBで活躍してる方だけど、野球に対するハングリーさが違う。見習うべきところがたくさんある」と、西武のG・G・佐藤との合同練習プランを披露した。

あこがれのスラッガーとの修行で、NPB仕様にモデルチェンジする。昨年も元新潟・根鈴雄次プレーイングコーチに紹介され、G・G・佐藤と徹底した筋トレを敢行。実家の埼玉・越谷市から神奈川県内の施設に通うためには約2時間かかったが「普段の呼吸から、GGさんは命をかけて練習していた。価値のある練習だった」と野原。充実の日々を振り返る。

今季は無冠に終わったものの、50蛋では自己記録を0秒3縮める5秒9。足を武器にリーグトップの9本の三塁打を放ち、盗塁も12個(リーグ4位)、マークした。北京五輪代表とのトレーニングで「足」という武器を得たことが阪神の育成指名につながったのだ。

〈球団の垣根を越え〉
今月1日、G・G・佐藤のもとへ育成ドラフトで指名を受けたという報告メールを送ったところ「早く、一緒に練習しよう」という返信が届いた。現在は故障に苦しんでいる先輩の心遣いから、球団の垣根を越えた合同練習が今オフも実現することになった。

夢の合同練習に向け「けがをしない体をつくりたい。最初からアピールできるように、さらにパワーアップしたい」と野原。縦じまのユニホームに袖を通す前に、さらなる成長を遂げるつもりだ。

〈第2の故郷 富山のファン500人に“最後の雄姿”〉
富山の一員として、最後のユニホーム姿を披露したファン感謝祭。野原が最後まで“らしさ”を見せた。来春の選抜大会に出場する滑川高女子ソフトボール部とのソフトボール対決に「1番・二塁」で先発出場。3回2死一塁の第2打席では、二塁前のボテボテのゴロだったが、「真剣にやりたかった」と全力疾走。足で意地の二塁内野安打とし、1−6の敗戦の中、集まった500人のファンを魅了した。

午後に行われたスピードガン・チャレンジなどのゲームコーナーでは、サイン攻め。「ファンに感謝の気持ちを伝えたかった」と、100枚以上の色紙にペンを走らせ、“おかわりスマイル”を振りまいた。

閉会式では、関西独立リーグ・神戸9クルーズへの入団を希望しているストッパー・小園司(26)ら他の退団選手と一緒に3度、胴上げされた。この日、家族3人で駆けつけた父・保巳さん(42)も「とりあえず、スタートラインに立てた。富山に来て、大正解」と息子の成長ぶりに目を細めた。

さあ、NPBの大舞台へ。野原は「富山は第2のふるさと。早く支配下選手に登録されて、恩返ししたい」と飛躍を誓った。

2008年11月03日掲載

野原 祐也〜野原ひと足お先に虎ユニホーム披露!!

〈富山サンダーバーズリーグ優勝パレード〉
BCリーグの富山サンダーバーズが2日、富山市の総曲輪通りでリーグ優勝パレードを行った。永森茂球団社長、鈴木康友監督、コーチ、選手が参加。富山県一の繁華街でファンの声援に応えた。阪神の育成ドラフト1位に指名された野原祐也外野手(23)が、ファンから受け取った阪神のユニホームに満足そうな表情を浮かべた。
デパートの大和富山店前では、鏡割りを行った後でファンと交流。今季限りで退団する小園司(26)が「富山には2年間お世話になった。今後も関西独立リーグなどでプロを目指したい」と話せば、「これから活躍して、富山の人に恩返ししたい」と野原。ファンとの別れを惜しんでいた。

2008年10月31日掲載

野原 祐也〜BC2冠王阪神育成1位「4番・レフト金本さん目指す」

プロ野球のドラフトが30日、都内のホテルで行われ、富山サンダーバーズの野原祐也外野手(23)が育成ドラフトで阪神の1位指名を受けた。昨年、首位打者、本塁打王の2冠王に輝いた“BCリーグの大砲”は「4番・レフトを目指したい。金本選手のような丈夫で、強い選手になりたい」と“金本2世”に名乗りを上げた。

〈内村に続け〉
落ち着かない表情が、一気に満開の笑顔に変わった。午後5時39分。ドラフトを映し出す会場のテレビから自分の名前が流れた瞬間、目をまん丸にした野原が言った。
「何か、あんまり実感がない。ビックリしています」多くのカメラのフラッシュを浴びても、まだ、長年の夢が実現したことが信じられない。

抜群のスイングスピードで、1年目に2冠王に輝き、今季も4番として活躍、チームを優勝に導いたBCリーグ最強の打者。育成からのスタートは昨年、石川ミリオンスターズから楽天に入団した内村賢介内野手(22)と同じだが、目標は限りなく大きい。

〈おかわり君〉
「阪神の『4番・レフト』を目指したい。金本選手のような丈夫で、強い選手になりたい」ときっぱり。国士大4年の春に恥骨結合炎を患い、1年間プレーできなかったこともあった。だが、BCリーグでは2年間、全試合出場。「伝統の巨人・阪神戦をわかせる選手になってほしい」と、富山の鈴木康友監督(49)の期待も大きい。担当の阪神・池之上格スカウト課長からも「打撃センスはもちろん、野球に取り組む姿勢がいい。阪神に新風を吹き込んでもらいたい」と期待される男は、連続フルイニング出場お世界記録を持つアニキを目指す。

マクドナルドに入ると、平気で2000円以上のハンバーガーを平らげるなど、大食漢ぶりでチームメートや富山のファンから「おかわり君」の愛称で親しまれてきた。この日も「気持ち的には、ごはん25杯を食べられるぐらい、うれしい」とおどけたが、会見の最後には「(支配下登録の)最短記録を作るぐらい頑張ります」ときっぱり。さらなる高みを目指し、雷鳥軍団の主砲がNPBの扉をたたく。

2008年10月29日掲載

富山無念…逆転負け 日本一目前…小山内9回追いつかれ11回力尽く

BCリーグ優勝の富山サンダーバーズは2−3と逆転負け、独立リーグ日本一を逃した。2連敗後、四国・九州IL覇者の香川オリーブガイナーズ2連勝し、逆王手をかけていた富山は、4回に先制し、5回には山内匠二(28)が右前適時打。投げては188賊ο咫μ效智朗(26)が好投したが、8回に失策絡みで1点を許すと、9回1死三塁にエース右腕・小山内大和(26)が同点打を浴び、延長11回で力尽きた。

〈鈴木監督涙なし〉
涙はなかった。富山・鈴木康友監督(49)は、すっきりとした表情で激闘を振り返った。「あとアウト2つまでいったけど、これも野球。悔いはない」敗戦の瞬間ベンチの最前列で胸を張った。ただ、試合途中から降り出した冷たい雨が、背番号81の背中を打っていた。

楽しみながら、独立リーグの頂点を目指した。グランドチャンピオンシップへ、練習を再開させた13日。「ここまで試合をできるチームはない。楽しんでいこう」相手は昨年石川を圧倒した香川。自然と肩に力が入る選手たちを集め、指揮官はきっぱりと言った。

独立リーグの先輩の壁は厚かった。第2戦までの2試合はわずか4安打。2連続で香川の好走塁に屈し、一気に王手をかけられた。それでも、姿勢は変えなかった。リーグ戦中はふがいないプレーをした選手に、手を上げたこともあったが、敗戦のロッカールームで、選手たちを笑顔で出迎えた。「短期決戦は何が起こるかわからない。地元でドラマを作ろう」がけっぷちに立たされても、笑顔は崩さなかった。

〈逆王手も無念…〉
祈りは通じた。25日はエース小山内が2失点完投し、第4戦は2年間で1度も完封勝利経験のない139善ο咫ε鎮羚Ъ 24)が完封。地元で逆王手をかけた。「1分1秒でも、時間が戦いが止まってほしかった」心の底から、この戦いを楽しんでいた。

最終決戦は最後までもつれた。日本一まであとアウト2つのところで同点に追いつかれ、最後は延長11回で屈した。それでも「はしみたいにポキッと折れる選手かもしれないが、束ねたら強くなる。負けたけど、いい試合を見せられた」今季82試合目の戦いに悔いはなかった。

来季、鈴木監督は3年契約の3年目を迎える。正式な契約交渉は今後だが、永森茂球団社長は「前、後期と優勝して、成績的には問題ない」と続投を打診する見込みで、鈴木監督も「また来年。日本一を目指して頑張りたい」と09年に意欲を示した。勝負の年。来年、50歳を迎える指揮官は、この悔しさを必ず大きな歓喜に変えるつもりだ。

〈プロ注目野原不完全燃焼〉
ドラフト候補の4番・野原は、不完全燃焼に終わった。3打席連続四球の後は、8回1死で一、二塁間を抜けるヒット。しかし、一発を期待された延長11回にはスライダーで三振。「あそこで振ってしまうところが今の実力。みんなに申し訳ない」と肩を落とした。

因縁の香川戦だった。国士舘大4年の秋、香川のトライアウトに挑戦。しかし、その前夜に交通事故に巻き込まれ、むち打ちで受験を断念。その後、富山を受け合格した。「受かれば向こうに行こうと思っていた」と複雑な思いもあった。

惜しくも日本一は果たせなかったが、阪神とロッテ、オリックスから調査書が来ており、ドラフト指名も有力だ。「今は不安と期待が両方。どっしりと構えて当日を迎えたい」と気持ちを切り替え、30日を待つ。

2008年10月19日掲載

富山連敗

富山サンダーバーズが、四国・九州IL優勝の香川オリーブガイナーズに逆転負けを喫し、独立リーグ日本一に王手をかけられた。初回に町田一也(22)の左前適時打で先制したが、4回に同点に追いつかれると、7回には4安打に好走塁を絡められ、2失点。打線も好投した先発・田中孝次(24)を助けられず、3安打。1−3で2連敗した。第3戦は24日、地元・桃山球場で行われる。

〈わずか3安打〉
香川応援団の大声援が耳をつんざく。マウンドから降りる富山・田中の視線は、宙をさまよった。「そんなに怖い打者はいなかった。ただ、仕方ないです」6回まで4安打1失点に封じたが、7回に2失点。痛恨のイニングを悔やむしかなかった。

走塁の差が勝負を分けた。7回1死一、三塁。走った一塁走者を一、二塁間で挟殺プレーに持ち込んだが、三塁走者・国本に逆転の本塁を突かれた(記録は重盗)。廣田嘉明主将(27)が「走るタイミングを知っている。そういう訓練もしているんだろうな」と振り返れば、鈴木康友監督(49)は「今までに体験したことのないプレー。間一髪でやられている」。17日の第1戦では守備陣の一瞬のスキを突かれ、シングルヒットで一塁走者が生還。独立リーグ2連勝を目指す王者の好走塁に、2夜連続で屈した。

〈地元で逆襲だ〉
前日に1安打完封負けを喫した打線は、第2戦もかみ合わない。1回2死二、三塁に町田の左前適時打で先制したが、後が続かない。2回以降、5度得点圏に走者を置いたが、香川の継投の前に2安打に終わった。

24日からは富山ラウンド。指揮官は「まだ、負けたわけではない。ここからドラマをつくりたい」と地元での3連勝を誓った。がけっぷちにたたされた雷鳥軍団。今こそ、BCリーグ王者の意地を見せる時だ。

2008年10月18日掲載

小山内 大和〜好投小山内救えず 富山たった1安打

〈四国・九州IL王者香川に初戦完封負け〉
富山サンダーバーズは、四国・九州IL覇者の香川オリーブガイナーズに完封負け、初戦を落とした。エース右腕・小山内大和(26)が力投したが、4回に香川の足を絡めた攻撃に3失点。打線もサブマリン・塚本にタイミングが合わず、わずか1安打に抑え込まれ0−3の完敗だった。負けられない第2戦は、サーパススタジアムで午後6時にプレーボールする。

〈悪夢の4回〉
悪夢のような光景に、富山・小山内はぼう然と天を仰いだ。0−2とされた4回2死一塁。遊撃後方に上がった左前打で、香川の一塁走者・国本が二塁、三塁ベースをけって、一気にホームを陥れた。守備陣の一瞬のスキを突かれ3点目を許し、背番号48は唇をかみしめるしかない。目の力は完全に失われていた。

魔の4回だった。1死二塁。丈武の放った中堅方向への強烈な打球を二塁手川端英治がはじいて(記録は二塁内野安打)一、三塁のピンチとされると、さらに暴投で二、三塁に。中犠飛であっさりと先制点を許した。

続く2死二塁では、国本の平凡なゴロを山内匠二がトンネルして2点目を献上。試合を決めた3点目は、87年の日本シリーズ第6戦で西武が見せた好走塁を思い出させる形で奪われた。「しっかり守っていたら、0−0のゲーム。(小山内)大和は球数も少ないし、よく投げた。でも、バタバタしたところで3点を取られてしまった」と鈴木康友監督(49)。エースは結局4安打完投しただけに、4回の3失点を悔やんでも悔やみきれない様子だった。

強力打線も全く火を噴かなかった。塚本の120キロ台の浮き上がる直球と、80キロ台の大きなカーブに打撃を崩され、安打は4回先頭の山内の右前打のみ。四国・九州IL王者に力の差を見せつけられた。

〈暗さはなし〉
それでも、試合後のミーティングでは笑いが起きるなど、初戦を落とした暗さはなかった。この日無安打に終わった野原祐也は「ここから、ばん回しますよ。このままでは終われない」と第2戦での奮起を誓った。悲観している暇はない。勝利だけを目指し、前に進むしかない。

2008年10月12日掲載

草島起死回生3ラン!!優士サヨナラ打!!富山初V

〈群馬に3連勝〉
富山サンダーバーズが破竹の3連勝で、上越地区優勝の群馬ダイヤモンドペガサスを下し、BCリーグ優勝を決めた。3点を追う9回2死一、二塁の土壇場で草島諭(24)が起死回生の右越え場外3ラン。奇跡的な同点弾で流れをつかむと、延長10回2死一、三塁から優士(25)がサヨナラ二塁内野安打。4−3と、劇的Vを飾った。富山は17日、開幕の日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップで四国IL覇者・香川オリーブガイナーズと激突する。

〈死闘3時間55分〉
鳥肌が立つような試合内容に、鈴木康友監督(49)も、すっかり心を奪われた。延長10回2死一、三塁。優士の二塁内野安打で決めた劇的サヨナラV。その瞬間、指揮官の目も真っ赤に染まっていた。「長いことやっているけど、こんな感動的な試合はない」3時間55分のドラマの後には、5回の胴上げが待っていた。ただただ、リーグ制覇の余韻に浸った。

ゼロからのスタートだった。07年3月5日、産声をあげた富山。だが、転々とする練習場の中には、ホームベースもないグラウンドもあった。指揮官が引越し用ダンボールでホームベースの代用品を作り、その場をしのいだが、わずか10段の階段でトレーニングしたことも。「さすがにびっくりした」と主砲の野原。慣れない環境に不安な日々が続いた。

1年目は石川とのマッチレースに敗れ、初代王者の座を逃した。悔し涙に暮れる中、選手たちはその年限りでチームを去ることになった宮地克彦プレーイングコーチ(現ソフトバンク)に「おまえらで、『監督を胴上げする』という俺の夢をかなえてくれ」と声をかけられた。廣田嘉明主将ら多くの選手が今も尊敬する選手としてあげる男の一言。「宮地さんの夢もかなえたかった」と燃えに燃えた。

2年目の4月からは公式練習場として、立山球場を使用。5月には球団ワースト6連敗を喫したが、打線は野原中心のつなぎ野球に徹し、投手陣はエース・小山内大和を軸に戦い抜いた。「去年は大味な試合が多かったけど、今年は粘り強くなった」と指揮官。リーグ優勝が懸かったこの日の戦いも、誰もが負けを覚悟した9回、草島が同点3ラン。一気に頂点まで突っ走った。

17日から、昨年、石川を圧倒した香川と独立リーグ日本一を懸けて戦う。「まだ、終わりじゃないから」と鈴木監督。雷鳥軍団の伝説は、まだ終わらない。

〈草島9回2死フルカウントから場外弾〉
悩めるスラッガー、草島の“今季1号”となる場外3ランで勝利を引き寄せた。3点ビハインドの9回2死一、二塁のフルカウントで、ど真ん中の速球を迷わずフルスイング。「手応えも完ぺき。打った瞬間に行くと思った」と草島。大きな放物線を描き、ボールは球場外の林に消えた。

どん底からの復活だった。昨年は主軸として、打率3割3分8厘、本塁打13本で共にリーグ2位を記録。
しかし、春先に右ひざ、背中、かかとを次々に故障。絶不調に陥り、今季は代打要員としてベンチを温めることもしばしば。「心が折れそうだったけど、ファンの応援が元気をくれた」と地道に練習。最後にその努力が報われた。

「レベルの高い香川の投手から、今日みたいに打ちます」と草島。日本一を決める大舞台で、完全復活を目指す。

2008年10月09日掲載

富山王手〜敵地連勝!!11日宮野で舞う

富山サンダーバーズが、BCリーグ制覇に王手をかけた。今季5勝の田中孝次(24)が、自己最速139キロの直球を軸に、6回を無四球で2失点。打線も塚本雄一郎(23)が3安打2打点の活躍を見せれば、8回には野原祐也(23)が右翼場外に消えるダメ押し3ラン。攻守がかみ合い、群馬ダイヤモンドペガサスに9−3で大勝した。優勝をかけた第3戦は11日、黒部・宮野野球場(13時開始)で行われる。

〈母へ最高の報告〉
最後の瞬間を見届けると、富山・田中は充実した表情で、ベンチを飛び出した。群馬に9−3で大勝。「アウェーでの、この2勝目はデカい。勝てて良かった」敵地での2連勝を呼び込んだ174賊ο咾蓮顔かを真っ赤にして喜んだ。

自然と気持ちも高ぶった。5回の先頭打者。カウント1−0からの外角の直球は自己最速タイの139キロをマーク。この直球を内外角に集め、決め球には外角のスライダー。群馬の強力打線に的を絞らせず、6回を7安打無四球、2失点。鈴木康友監督(49)が「序盤は苦しい試合展開だったけど、田中がよく投げてくれた」と目尻を下げる投球だった。

プレーオフでの活躍を伝えたい人がいた。母・道子さん(57)。女手一つで育ててくれた最愛の母は、自らが神奈川・釜利谷高3年時から体調を崩し、現在も病院通いの生活が続いている。息子の投球を見たのは高校3年の夏が最後で、BCリーグでの試合は1試合も見ていない。田中は「無理して、大学(帝京平成大)にも行かせてくれた何としても勝ちたかった」。シーズン中から自分が掲載された新聞は、実家に送っているという孝行息子。北陸地区チャンピオンシップの石川戦に続く2戦連続の好投は、最高の報告になりそうだ。

〈塚本技あり3安打2打点〉
狙い打ちだった。3点リードの6回2死三塁。塚本は内角のスライダーを迷わず振り抜いた。「(下手投げの)キムは打ちづらかったけど、変化球を狙っていた。いいところに飛んだ」打球は左中間を抜ける適時二塁打。二塁ベース上で、思わず白い歯がこぼれた。

小技でも見せた。初回無死一塁には初球をきっちり投前に犠打。8回2死には三塁線に絶妙のバント安打を決めた。2回にも左前適時打を放っており、今季初の猛打賞で2打点。「後ろにつなぐことが大事。僕がつなぐと、チームに勢いが出る」打撃練習ではバントやバスターに時間を割く背番号0。ソツのないプレーを見せた雷鳥軍団の“いぶし銀”が、敵地2連勝の呼び水となった。

〈木谷1失点締め〉
7回からは、プレーオフからリリーフに回っている188賊ο咫μ效智朗(26)が3回1失点。盤石の投手リレーで、四国IL・香川とのグランドチャンピオンシップまであと1勝だ。11日からは地元・富山決戦。田中が「この流れで3連勝したい」と言えば、指揮官は「もう1試合。一気にいきます」とまくし立てた。上昇気流に乗る雷鳥軍団が全速力でVロードを駆け上がる。

2008年10月04日掲載

富山北陸制覇 康友監督宙に舞った

富山サンダーバーズが北陸地区優勝を飾った。初回に野原祐也(23)の中前適時打で先制すると、続く町田一也(22)が右越え2ラン。その後も着実に加点し、投げては後期から先発に回った右腕・田中孝次(24)が8回2失点。9回に2点を許したが、石川ミリオンスターズを5−4で振り切った。上信越地区優勝の群馬ダイヤモンドペガサスとのBCリーグチャンピオンシップは7日、開幕する。

〈打倒石川果たした〉
最高の笑顔を輝かせ、富山・鈴木康友監督(49)がマウンドに向かった。苦しみながらも石川を下し、北陸王者。魚津の夜空に3度、舞った。「やっと石川の上に立つことが出来ました」目を真っ赤にして、ようやくつかんだ歓喜を喜んだ。
“打倒・石川”が合言葉だった。昨年は石川との壮絶なデットヒートを繰り広げたが、石川の前に力尽きV逸。

2冠王の野原ら強打を売りとしたが、最後は石川・金森栄治監督の胴上げを目の当たりした。
「去年の悔しさを持って戦おう」ミーティングの指揮官には、自然と石川を意識する言葉が口に付いた。全体練習がスタートした3月からは石川のような「勝てる野球」を追求。
ノックでふがいないプレーが続くと、指揮官は練習を中断し、「おまえら去年負けた理由はなんだ。石川に守備で負けたんじゃないのか」とゲキを飛ばした。

リーグが開幕してもその姿勢を崩さず、試合後は反省練習に汗を流した。前後期優勝を飾ったが、「北陸で優勝しないと素直に喜べなかった」と野原。選手たちは街中で知らない人から「石川だけには負けるな」と声をかけられたこともあって、ライバルへの対抗心が日増しに強くなった。

1年間のリベンジの念は、この試合で爆発。町田の2ランを含む3打点に、マウンドでは田中が8回2失点。1点差に追い上げられたが、昨年石川が初代王者に君臨してから353日後。宿敵を粉砕し、北陸の頂点に立った。

BCリーグチャンピオンシップでは、群馬が待ちかまえる。指揮官は「寒くなるまで野球をやります」とファンの前で宣言した。大きな自信をつかんだ雷鳥軍団が7日、敵地・群馬に乗り込む。

〈鈴木康友監督手記〉
前後期で優勝したけど、プレーオフで石川に勝つまでは喜べなかった。去年は石川の前に悔しい思いをして、今日勝ててホントにうれしいですね。

今年一年は勝つことにこだわってやってきた。その中で、立山球場で練習が出来るようになったのが、チームのレベルアップにつながったかなと思う。去年は県営富山、城光寺、桃山を行ったり来たり。
しかも時間制限がある中で練習してきたわけですから。

立山球場で練習するようになった5月に、チームはワーストの6連敗。連敗中の5月12日に立山球場から車で5分ぐらいの田んぼで田植えをしたんだけど、あの時はチームがどうなるのかと不安だった。稲はすくすく育ていくのに…。「野球選手も稲みたいに育てば」と何度か思った。

そんな中で5月28日の石川戦で小山内が完封。今季石川戦初勝利だったんだけど、あの1勝で1年間の戦い方が見えてきた。「大和が投げれば負けない」って選手も自信を持って戦うようになったしね。稲は結局、9月17日に収穫したんだけど、立山球場で練習を重ねていくたびに、稲と選手がダブって見えた。この4ヶ月で選手は確実に大きく育ったと思う。

1年目のチームスタート時は練習場にホームベースもなくて、引っ越しのダンボールを切って練習していた。何もないところからのスタートだった。2年目に立山球場で課題を1つずつクリアして、前後期優勝の収穫を得て、石川を倒しての北陸優勝。試合は続くけど、1つでも上を目指して、チーム一丸戦っていきたいですね。

2008年10月03日掲載

富山Vお預け 延長11回惜敗

〈今日こそ決める〉
富山サンダーバーズが石川ミリオンスターズに競り負け。リーグチャンピオンシップ進出は3日以降にお預けとなった。
エース右腕・小山内大和(26)、木谷智朗(26)ら意地の継投を見せたものの、打線が石川・南和彰(27)の前に9回まで3安打無得点。リーグ規定により、初の延長戦となったが、延長11回、最後に力尽きた。勝てば、北陸地区Vが決まる第2戦は3日、魚津桃山野球場(18時30分開始)で行われる。

〈打線沈黙〉
天を仰ぎ、奥歯をかみしめた。4点を追う延長11回裏2死満塁。富山の最後の打者・野原祐也(23)が左飛に倒れた瞬間、三塁コーチャーズボックスの鈴木康友監督(49)が悔しさを露にした。勝てば、北陸王者の一戦で惜敗。歓声がアルペンスタジアムにこだまする中、指揮官はうつむいたまま、ベンチへ引き揚げていった。

「今日で何とか決めたいね」試合前、指揮官が話したとおり、意地の継投を見せた。まず最多勝、防御率のリーグ2冠王に輝いた小山内だ。6回1死一、三塁。カウント0−2からの投球で右脚太ももがつったが、そこからが力の見せ所。1死満塁から吉岡、代打・三宅を続けざまに空振り三振。ポーカーフェイスでマウンドに立つ背番号48から思わずガッツポーズも飛び出した。
球は高めに浮き、石川打線に6安打。本来の姿とはほど遠かったが、7回無失点。まさにエースの力投だった。

7回2死一、二塁の座親のインフィールドフライを巡り、試合は31分間中断。8回からリーグ11勝の右腕・木谷がマウンドへ。8回1死に左翼線二塁打を許したが、直球中心の投球でバットのしんを外していく。2回を無失点に抑え、延長10回からは守護神・小園司(26)に託した。

後期だけで9セーブを挙げた“雷鳥魔人”は10回に2死一、二塁のピンチを招いたが、内田を125キロの外角のスライダーで空振り三振。しかし、11回に2死満塁のピンチを迎えると、座親に先制2点中前打。続く深沢に四球を与えると、平泉にダメ押し2点中前打を浴び、一挙4点を許した。

打線も9回までに4度、得点圏に走者を進めたが、後が続かない。カットボール、スライダーなど多彩な変化球を駆使する石川・南の前にあと1本が出ず、まさかの完封負け。この日の悔しさは3日に晴らすしかない。

2008年09月29日掲載

野原 祐也〜野原1差打点王逃す

富山サンダーバーズが今季最終戦で群馬に敗れた。打点王争いで3位につけていた4番・野原祐也(23)が7号ソロなど3打点を挙げたが、打点トップの2人、群馬・井野口、丹羽コンビも2打点を記録。1差でタイトルを逃した。また、小園司(26)のセーブ王の可能性も消滅した。石川ミリオンスターズはエース右腕・南和彰(27)がハーラートップタイの15勝目。信濃グランセローズに4−0で快勝した。

〈3打点猛追も〉
打点王を逃した野原が両手を腰に当て、うつむいた。「インコース真っすぐの絶好球でした。もうちょっと集中できていれば」8回無死一塁で迎えた第4打席。一打が出れば、打点王トップタイとなる場面で中飛。主砲は悔しそうに振り返る。
 
収穫もあった最終戦だった。第1打席で7試合ぶりの打点となる先制の右前適時打を放つと、「(無走者だから)狙ってました」という第2打席では、右翼スタンドへ先月24日以来の7号ソロ。第3打席もカウント0−3からの積極打法で右前適時打。「久しぶりのタイムリーが出て、いい形で最後を飾れた」と手応えをつかんだ。
 
「プレーオフでは、チャンスに強いバッターになりたい」と野原。頼れる4番のひと振りで、地区チャンピオンシップもゲットする。

〈小園S王ならず〉
右ひじ痛から復帰し、ここまで9セーブの小園だったが、目の前で群馬・越川が10セーブ目を挙げ、タイトル獲得はならなかった。小園は「仕方ない」と悔しそうだったが、横田久則コーチ(41)は「後期だけでタイトル争いは立派」と褒めた。球場から引き揚げる際には鈴木康友監督(49)が「4つセーブを挙げれば四国へ行けるぞ」と守護神にゲキをとばし、プレーオフでもフル回転させることを約束した。

2008年09月27日掲載

富山前後期完全V〜雷鳥打線爆発13点!!本拠地で鈴木監督舞った

〈木谷今季初完封〉
富山サンダーバーズが前後期完全制覇を達成した。マジック1とし、信濃グランセローズと対戦した富山は、4回に山内匠二(28)の右翼線3点三塁打など4安打6得点。7回にも打者10人の猛攻で6点を奪い、後期初の2ケタ得点。投げては木谷智朗(26)が今季初完封で、13−0の完勝だ。10月2日からの北陸地区チャンピオンシップでは、年間勝率2位の石川ミリオンスターズと対戦する。

〈前期から進化〉
はやる気持ちを抑え、富山・鈴木康友監督(49)はゆっくりと緑の輪に向かった。カクテル光線に照らされ、背番号81が4度、宙に舞う。「まさか後期も勝てるとは…。選手が粘り強く頑張ってくれた」今季2度目の胴上げ。完全制覇の味は格別だった。

進化しながらの後期優勝だった。4月の開幕前に右ひじを疲労骨折し、戦列を離れていた小園司が後期に復帰。ハーラー単独トップ15勝のエース小山内大和に、木谷ら先発陣が安定したこともあり、昨年のエース右腕はストッパーに回りリーグトップタイの9セーブを挙げた。野手陣も苦手の左対策として、伊東大輔(23)を起用。作戦でも、バスターエンドランを多用するなど、攻撃の幅が広がった。

一時は首位と3ゲーム差が開いたこともあったが、試合が進むたびに安定感が増す。8月12日の群馬戦から4つの引き分けを挟んで4連勝。指揮官が「チームが1つになった」と言えば、廣田主将は「接戦をものにできるチームになった」と胸を張った。リーグ終盤の9月に同地区の福井、石川が思うように勝ち星を積めない中、この試合までに4つの貯金を作った。

勝てば、後期Vが決まるこの試合では、4回に山内が右翼線に3点三塁打を放つなど打者10人の猛攻で4安打6得点。約25分間の降雨中断を挟んだが、7回にも6回点を挙げ、後期初の2ケタ得点。昨年を思い出させる猛打で、北陸地区年間王者に立った。

地区チャンピオンシップでは、3戦で1勝すれば、7日からのBCリーグチャンピオンシップへの出場切符を得る。鈴木監督は「チーム一丸。もう1つ上にいけるようにしたい」と頂点を見据えている。BCリーグ制覇、独立リーグ日本一へ。大きな手応えをつかんだ雷鳥軍団が、さらなる高みを目指し、ばく進する。

2008年09月10日掲載

富山首位福井と引き分け

〈9回に追いつく〉
富山サンダーバーズが、粘りの野球で8−8、福井との首位攻防戦を引き分けた。先発したルーキー右腕・串田裕紀(19)が5回に7安打2四球でまさかの7失点。それでも、6回に3安打で3点取ると、9回、2安打で追いつき、ドローに持ち込んだ。

〈串田7失点炎上首位奪取ならず〉
期待の高卒ルーキーが炎上した。5回だった。2死一、三塁から串田が連続四球を与えた後に、まさかの7安打を喫する。苦しい表情で天を見上げる串田。勝てば、首位浮上の大事な一戦も、この回で無念の降板となった。
切れのあるカーブ、スライダーで、4回まで福井打線を2安打に抑えた。ほぼ完ぺきな内容だったが、カーブを狙われ始める。ストライクゾーンから微妙に外れ続け、魔の5回には打たれまくった。

打線も6回に1死満塁のチャンスも、4番・野原祐也(23)がバットを折られ、左飛に終わる。続く5番・町田一也(22)も三振。8回2死二塁のチャンスも町田が凡退。それでも意地を見せたのは土壇場の9回。1死二、三塁から9番・伊東大輔(23)が左越えの2点適時二塁打。執念で引き分けに持ち込んだ。

〈0.5ゲーム差ばん回を誓う!!〉
首位浮上こそならなかったが、福井とのゲーム差は0.5。価値あるドローで大きな手応えをつかんだナインは後期正念場でのばん回を誓った。

2008年09月08日掲載

野原 祐也〜富山野原に熱視線

富山サンダーバーズは、3−4で新潟に惜敗し首位を陥落した。エースの小山内大和(26)が精彩を欠いて、6安打4失点。NPB注目の4番・野原祐也(23)は、NPB3球団が見守る中、4打数2安打をマーク。今秋のドラフト候補に名乗りを上げた。

〈新潟に惜敗〉
NPB注目のスラッガー・野原が大活躍だ。1回1死一塁では右前の当たりを、俊足を生かして二塁に好走。守備では4回1死三塁で、左翼から矢のような好返球。「スカウトが来ているのは知ってたけど、ベストを尽くすだけ」と野原。9回2死一塁では、NPBから熱視線を浴びる151善ο咫ζ租直至(25)の速球を右前に運んだ。

昨年から大きく伸びたのは走力だ。冬場は肉体改造に着手。筋トレで体重10疏加したが、アメフト選手のような走れる体に変身。50蛋では昨年より0.3アップの5.9秒に。「自分でもびっくりした。飛距離も伸びて、今年は軽く振っても柵越えする」と手応えをつかむ。

ネット裏では、横浜、日ハム、オリックスの3球団が視察。横浜の進藤達哉スカウトは、「足も肩もあるし、育成ドラフトの可能性もある。もう1回、見に来たい」と評価すれば、日本ハムの大渕隆スカウトは、「BCリーグでは一番いい打者。ミートが上手いし、肩もある。ドラフトの対象です」と太鼓判を押す。
「育成ドラフトでも構わない。後期も優勝してNPBに乗り込みたい」と野原。大きな目標に向けて、ラストスパートをかける。

2008年08月25日掲載

富山サンダーバーズ〜3戦連続ドロー

北陸地区2位の石川ミリオンスターズと、富山サンダーバーズのライバル対決は、2−2で3試合連続のドローに終わった。富山はエースの小山内大和(26)が4回表に3連打で2点を失い、打線も8安打で2点止まり。何度も勝ち越しのチャンスを迎えたが、あと1本が出なかった。今季初のホーム球場で戦った富山は地元で2位浮上を果たせなかった。

〈富山野原6号も〉
どんよりと曇った空のように、富山ナインの表情はさえなかった。毎回のように得点圏に走者を送ったが、凡打の連続。鈴木康友監督(49)は「地元で勝ちゲームと思っていたが…。みんな、ヒーローになりたくないのかねえ。でも、負けなくて良かった」と、歯切れ悪く振り返った。

今年から地元の好意で、練習場を立山球場に決定。球場確保に悩まされることもなくなり、野球に打ち込む環境が整った。練習中には、地元住民からおにぎりやドーナッツ、スポーツ飲料の差し入れをもらうこともしばしば。「地元で恩返しをしたかった。感謝の気持ちがあるし、いいプレーを見せたかった」と野原祐也(23)。4回無死では今季6号となる、右中間へ豪快なソロ本塁打。大勢の観客が詰めかけたスタンドを盛り上げた。

しかし、後が続かなかった。9回1死一、二塁の好機も後続が凡退。「普通ならサヨナラになるんだけどね。まあ、打線の奮起でしょう。勝率も5割で、ここからがスタート」と、鈴木監督は気持ちを切り替えた。

2008年08月23日掲載

野原 祐也〜野原5号で富山5割復帰

富山サンダーバーズは福井に3−1で快勝した。4番の野原祐也(23)が4回にソロアーチを放つと、投げても先発の木谷智朗(26)が7回1失点と好投し、8勝目。勝率5割に戻した。

快音を残した打球は、長い滞空時間を経てライトスタンドに飛び込んだ。4回無死。先頭打者として迎えた野原は低めの直球を振り抜き、7月30日以来の5号ソロ。リードを2点に広がる貴重な一発に「うれしいです。もっと数を打ちたいんですけどね」と白い歯をのぞかせた。

7月は打率4割1分5厘と打ちまくり、月間MVPを獲得。8月も3割8分5厘と好調を維持している。今季の打率も3割4分8厘まで上昇し、本塁打(5)、打点(33)と合わせ、打撃3部門はすべてリーグ4位以内。また、盗塁も12で3位につけている。「タイトルは意識しません。一戦一戦の積み重ねですから」と話すが、前人未到の4冠も視界に入っている。

チームも後期初めて勝率5割復帰。「後期も優勝したい」とリーグ最強のバットマンは完全Vを誓う。首位・福井との差も0.5ゲームに詰め、前期の王者が追撃態勢を整えた。

2008年07月14日掲載

富山・北陸地区前期初V〜“脱・宮地”つなぎ野球で4回4点&町田ダメ押し2ラン

〈10月地区CS出場決定〉
富山サンダーバーズが悲願の北陸地区前期優勝を飾った。3回、町田一也(22)の中前適時打で先制すると、4回には3安打に3四死球を絡め、4得点。8回にも町田が2号2ラン。投げても先発・木谷智朗(26)、エース・小山内大和(26)が完封リレー。上信越地区前期優勝の新潟アルビレックスBCに7−0で完勝した。富山は地区王者をかけた地区チャンピオンシップ(10月2日から、全3戦)に、前期優勝チームとして出場する。

〈悲願達成 3298人ファンとともに鈴木監督3度舞った〉
青空が目の前に広がった。聞こえてくるのは、スタジアムにつめかけた富山ファン3298人の大歓声。アルペン球場の真ん中で鈴木康友監督が3度、宙に舞った。「苦しくて、大変だったけど、選手はホントによくやった」待ち待った瞬間に、思わず声を震わせた。
昨オフ、井野口祐介外野手(現群馬)、宮地克彦プレーイングコーチ(現ソフトバンクコーチ)の主力コンビが退団。打撃のチームは小技を絡めた“つなぎ野球”への転換を迫られた。5月に球団ワーストの6連敗。精神面でチームを支えていた宮地の穴は大きく、負けが続くと「宮地さんがいたら」が選手の口癖になり、V奪取という目標すら見失いかけた。
その危機を全員で乗り越えた。6連敗直後、選手だけのミーティングを敢行。首脳陣の前では言えないことも、その日ばかりは、みんなで言い合った。その結論が「自分のできることをしよう」。派手な性格の広田嘉明主将も黙々とバント練習。開幕から右ひじの故障に苦しんだ右腕・小園司はヤジ将軍として、チームメートを鼓舞。巨人コーチ時代の体重89舛ら6糎困反艦の絶えなかった指揮官も、チーム最年長の山内匠二を1番に抜てきするなど、思い切った策に出た。
そして、栄光をかけた前期最終戦では11安打に6犠打を絡め、7得点。「宮地さんの穴を1人で埋められなくても、その10分の1を埋めるようにした」と3打点の町田。“脱・宮地”を強烈に印象づける野球で、初のタイトルをつかんだ。
救援投手陣の整備など、今後の課題は多い。「まだ単なる通過点。後期も優勝して、四国に乗り込みたい」と鈴木監督。まだ完全ではない。さらなる栄光を目指し、雷鳥軍団は後期開幕の25日を待つ。

〈木谷−小山内「四国組」Vリレー〉
小山内が最後の打者を仕留めると、ベンチにいた木谷は一目散にマウンドに駆けた。「言葉にならないぐらいうれしい」と小山内。四国から来た2人の男の夢が結実した瞬間だった。
昨年まで3年間、四国ILの愛媛に所属していた2人。しかし、小山内は昨季、7勝のみ。木谷も2勝止まりで、チームは2位に終わった。しかし、「富山で野球をしよう」という広田主将からの電話で人生が変わった。3年で環境を変えたかった木谷は2つ返事で入団テストを受験。小山内も実家の岐阜県から近いこともあり、入団を決めた。
そして、富山での1年目。ハーラートップの10勝。この日、9回2死まで無失点の木谷も前期6勝とチームを引っ張った。「プライベートでは話さない」(木谷)という2人だが、前期Vの立役者は紛れもなく、2人の“四国組”だった。

2008年07月06日掲載

野原 祐也〜野原4安打4打点爆発富山前期Vマジック4

富山サンダーバーズは、野原祐也(23)が3回に3ランを放つなど4安打4打点と爆発。先発全員安打の18安打11得点で、群馬ダイヤモンドペガサスに11−3で大勝した。石川ミリオンスターズが信濃グランセローズに5−9で敗れたため、富山の前期優勝へのマジックは4になった。

〈6戦ぶり3号〉
強烈な一撃だった。1点を勝ち越した3回無死一、三塁。富山・野原が振り抜いた打球は快音を残して、右翼芝生席に吸い込まれた。6月19日の信濃戦以来、6試合ぶりの3号3ラン。「感触はなかったけど、よく入ってくれた」試合を決める一発に、4番の舌は自然と滑らかになった。
気持ちで打った。ここ5試合は15打数でわずか2安打。前期優勝を争う大事な時期に、主砲のバットは湿りがちだった。シーズン中は常に早出特打に取り組むが、この1週間はあえて休むようにした。
「調子は決して悪くない。精神的なものだと思った」そのふがいなさを試合にぶつけた。負ければ、2位転落の可能性もあったこの試合で4安打4打点。第1打席では一塁へ頭から飛び込み、内野安打にした。阪神・池之上スカウト課長は「ものすごい気迫を感じた。一生懸命やる、結果を出す。プロとはそうあるべき」と目を細めた。
野原に乗せられた打線は、先発全員安打の18安打11得点。「必死で結果を出したい」と野原。前期Vへ“燃える主砲”は欠かせない。

2008年05月11日掲載

一時逆転も

4回に野原祐也(23)の右中間2点二塁打など打者一巡の攻撃で逆転したが、先発・小山内大和(26)
が踏ん張れず、5回に同点に追い付かれた。打線は、5回以降、ゼロ行進。首位は守ったものの、貯金はなくなった。鈴木康友監督(48)は「逆転した後、ゼロに抑えていれば…そこが唯一の勝機だった」と唇をかんだ。
石川・南に2連敗したが、野原は「南はいい投手。今日できっちり切り替えたい」と前を向いていた。


2008年04月27日掲載

野原 祐也〜野原走者一掃V打

〈昨年2冠精神面で成長〉
逃さない。富山・野原は体に巻き付けるように、バットを最短距離で出した。痛烈な打球は遊撃手の頭上を越え、左中間を切り裂いていく。ヘッドスライディングで三塁に到達すると、控え目に喜んだ。

勝負強さを見せたのは5回、1点を追う第3打席だった。川端が12球粘り四球。町田の死球で、押し出しとなり、迎えた1死満塁。背番号33の集中力は最大限に高まった。「こんなにおいしい場面はない。体が勝手に反応した」福井・柳川の140舛猟承紊鬟侫襯好ぅ鵐阿掘打者一掃の逆転左中間三塁打。「ここで打たなかったら、練習してきた意味がなかった」と、思わず笑みを浮かべた。「昨年は、気持ちをうまくコントロールできないときがあった」昨年、首位打者、本塁打の2冠王に輝いたが、凡打で倒れると、宮地克彦プレーイングコーチからメンタル面の乱れを指摘された。今オフはその不安を振り払おうと、その強化に着手。野球に関する本だけではなく、『「人たらし」のブラック心理術』など、心理学の本を計4冊熟読した。

石川に元巨人の南が加入するなど、BCLの投手力は確実に上がったが、「球に集中するだけ。気持ちをコントロールすれば、確実に打てる」。今季の目標は4割30本塁打、100打点。昨年より大きな目標を掲げたが、不安はない。

スタンドでは、父・保巳さん(42)が見守り、「肝心なところで打ってくれた。(埼玉から)車で6時間かけてきたかいがあった」と目を細めた。「球は見えてる。一本出たんで、明日はポンポン出ると思う」と野原。BCL最強打者が、ギアをトップにあげてきた。


〈新加入小山内完投〉
四国アイランドリーグ・愛媛から加入した小山内が、BCL初勝利を3失点完投で飾った。
24日には、病院で点滴を打つほど、体調不良だったが、この試合は尻上がりに調子を上げた。富山を今季初勝利に導き、小山内は「調子は良くなかったけど、勝てたことには満足している」と、端正な顔を崩していた。

2007年11月28日掲載

野原 祐也〜BC2冠富山野原に車贈呈

BCリーグで首位打者(打率4割1分2厘)、本塁打(14本)の2冠を獲得し、打者部門MVPに輝いた富山サンダーバーズの4番打者・野原祐也(22)=写真=に、自動車のトヨタ・ナディアが贈呈されることが27日、分かった。
 
鈴木康友監督を介した自動車販売会社の好意によるもので、12月中旬にも納車される予定。野原は車を持っていないため、練習などの時にはチームメートの車に同乗して球場入りしていた。
「好きな時に自主練習ができるようになる。去年よりすべて上回る結果を出してリーグ優勝、そしてNPB入りを決めて恩返ししたい」と笑顔。マイカーで時間を有効利用し、来季は3冠王を目指す。

2007年11月14日掲載

野原 祐也〜富山・野原祐也 リーグ2冠王でもお金がない

〈平日昼間は清掃作業員〉
7月8日、野原は新潟戦でバックスクリーン直撃弾を含む1試合3本塁打を放った。NPBでもなかなか出ない離れ業だ。「NPBを除けば、打つだけなら日本でNO1」パ・リーグのあるスカウトは言い切った。
 
国士大では主将を務めながら4年時に恥骨結合炎で1年を棒に振った。3月のチーム合流時の目標はレギュラー入り。だが宮地克彦プレーイングコーチ(36)の指導で打撃開眼した。打率4割1分2厘、本塁打14本で2冠、打点75で2位。大学卒業後に野球をする場所を失いかけていた男の急成長は、リーグの存在価値を大きく肯定するものだった。
 
打撃だけならNPBでも十分通用すると言われている男は今、ユニホームを作業着に替え、平日は午前9時から午後5時まで富山県内を飛び回る。「会社にもけがなどしないよう配慮はしてもらっていますし、仕事的には楽なことをやらせてもらっているんですけど…。慣れなくて大変ですね」と苦笑い。11月初めからスポンサー企業のオフィスケイで、公園清掃などの仕事をしている。
 
〈基本給15万 貯金は10万〉
北信越BCでは4月から10月までの7か月間しか野球で給料をもらえない。基本給は月15万円。「オフに備えて貯金したんですが、10万円くらいしかたまりませんでした」。開幕直後、野原のおにぎりの具がマヨネーズだったのは有名な話だが、実は今も車を持っていない。車社会の富山でチームメートに便乗する不自由な生活をしている。
 
高校や大学では授業が終われば毎日野球をする場所と時間がある。社会人野球の強豪はオフも午後から練習している。NPBは秋季キャンプの真っ最中だ。同じ独立リーグの四国アイランドリーグでは2月から10月まで9か月間、給料が支払われる。野球をする環境としては決して恵まれてはいない。半年間72試合を戦った経験と技術が失われかねない。
 
そのハンデを克服しようと、野原は仕事を終えるとすぐに練習場所に向かう。チームが借りている室内練習場は午後7時から9時までしか使えない。7時までには屋外でアップを終わらせ、ボールを使う時間を確保している。
 
〈ハングリー最大の武器〉
「本当は朝から野球をやりたいけど、逆にこれくらいハングリーな方が気合が入ります」と野原は厳しい環境からNPBへの夢を追う。

2007年10月14日掲載

草島・野原アベック弾 生出リベンジ1失点完投

〈石川快勝M2も富山が大勝し奇跡の逆転Vへ賭ける〉
富山サンダーバーズが奇跡の逆転優勝へ踏みとどまった。2位の富山は新潟アルビレックスBCと対戦。草島諭(23)、野原祐也(22)のアベック本塁打などで12安打を放つと、先発・生出和也(23)も4安打1失点で完投。10―1で大勝した。首位の石川ミリオンスターズは信濃グランセローズに快勝。優勝へのマジックを2に減らし14日にも優勝が決まるが、富山は最後まであきらめない。

〈逆転Vへ残り3戦全部勝つ 序盤で決めた〉
絶対負けられない一戦。富山ナインの目の輝きが違っていた。「ねちっこく見ていけ。新潟の投手は四球をくれる」鈴木康友監督(48)の指示をしっかり守った。1回、3連続四球で無死満塁とすると野原が気迫の中前適時打。「自分が初回のチャンスに打てなくて負ける試合が続いてた。自分が打てれば」主砲の先制打を手始めに一挙4得点。序盤で勝負を決めた。

12日、石川との直接対決で完敗。ライバルに優勝へのマジック3が点灯した。「正直ちょっと(がっくり)きました」と野原。だが、首脳陣はあきらめていない。試合前、「このリーグは何が起こるか分からない。優勝が決まったわけじゃない」と西武、巨人など選手、コーチで優勝を経験した指揮官はゲキを飛ばした。

〈"KY"リーグ〉
西武、ソフトバンクで優勝争いを経験している宮地克彦選手兼任コーチ(37)は「プロではこの試合で勢いがつく、この試合で心が折れるという試合はあったが、ここでは信じられないプレーが飛び出す。流れも結果も読めない。空気が読めない、“KY”リーグなんだよ」と流行の言葉で表現した。石川の有利は動かないが、何が起こるかわからない。だからこそ、選手に全力プレーを訴えた。

〈あきらめない〉
首脳陣の言葉にナインは応えた。7日の新潟戦、3回途中7失点でKOされた生出は、別人のような投球で1失点の完投勝利。12日の試合中、本塁上のクロスプレーでけがをした広田嘉明主将(26)に代わりマスクをかぶった杉野篤人(23)はていねいなリードで勝利に貢献した。湿りがちの打線も復活。「あと3試合、持てる力を出し切るだけです」と杉野。富山は、まだあきらめない。

2007年09月30日掲載

野原 祐也〜富山・野原祐也17試合ぶり12号で3冠再び射程内

〈富山が17点奪首〉
富山サンダーバーズが、4番・野原祐也(22)の8月19日の石川戦以来、17試合ぶりの一発となる12号本塁打などで新潟アルビレックスBCに17―3で快勝した。

1点ビハインドの6回、先頭打者として打席に入った主砲が流れを変えた。ここまで好投の新潟・矢野の直球をジャストミート。右翼場外に消えた打球は隣接する球場に飛び込んだ。推定飛距離は130メートル。「そろそろ、ホームランが欲しいところでした。完ぺきにとらえました」と胸を張る野原。背番号33の特大弾を足がかりに6回に一挙、9点。9回にも7点を加えて大勝した。

6打数3安打5打点の大爆発で打率、本塁打2冠を守った。打点も69に伸ばし、トップの井野口祐介(22)に5差。再び3冠王も視野に入ったが、「タイトルも少し気にかかるけど、目標はもちろん優勝。それしかありません」。キング・野原のバットで、石川とのマッチレースを制する。

2007年08月20日掲載

野原 祐也〜野原 7日左腕17針大けがも 8回場外11号2ラン

〈今季絶望危機から復活 3冠「20本目指す」〉
試合を決めたのは、やはりキング野原だった。3−4で迎えた8回無死一塁、インコースの速球を迷わずフルスイング。大きな弧を描きながら、ライトスタンドを軽く超え、ボールは場外の森の中に消えた。
「今までの場外弾の数? よくあるので分かりません。色気が出るので、記録は気にしてないのですが」と人なつっこい笑顔を見せた。

大けがからの復活だった。7日に行われた四国アイランドリーグとのオールスター戦で、本塁打を捕球しようとジャンプした際に、左腕を外野フェンスの突起に引っかけて、17針を縫う裂傷を負った。大出血とともに、裂けた皮膚からは骨も見えた。「救急車の中で、頭の中は真っ白でした」と野原。今季絶望の4文字も頭に浮かんだ。
医師からは10日間の安静を命じられたが、「本当に動かないのではなく、我慢すれば動く。これだけで欠場するなら、上でやっていけない」と10日の信濃戦で強行出場を決意。医療用テープを巻いた上に、腕全体を覆うリストバンドで補強。
動くたびに血はにじんだが、痛み止めの薬を飲んで出場し続けた。

15日には抜糸し、調子も上向きだ。現在は打率4割1分5厘、44打点、11本塁打で3冠。内角の厳しいコースを攻められ、のけぞって避けることもしばしば。12死球を受けるなど、生傷も絶えないが、逃げる気はまったくない。「最初の目標だった10本は達成できたので、次は20本を目指したい」。リーグ最強打者が、さらなる本塁打の量産を誓った。

2007年05月06日掲載

野原 祐也〜4番 野原 お待たせ1号

〈ダメ押し弾〉
打った瞬間、それと分かる打球だった。野原のバットから放たれた打球が高々と夜空に舞い上がる。
スタンドの大歓声と視線を集めた白球が右翼スタンドに突き刺さった。

10−0と大量リードの中、迎えた6回2死1、2塁から飛び出したチーム2本目、自身1号アーチが新潟にとどめを刺した。
「打った瞬間、入ると思いました。やっと本塁打が打てて、ほっとしています」満面の笑みを浮かべた4番は序盤からエンジン全開。2回2死満塁で打順が回ってくると、内角の球を詰まりながらも力で中前へ。2点をたたき出すと、4回にも左前に技ありの一打。
4打数3安打5打点の大爆発でチームを引っ張り、15−1の大勝を呼んだ。

〈プロ高評価〉
国士舘大時代、2年から4番を打った逸材。富山でも開幕から4番に座り続けている。
これで開幕6試合で、26打数12安打10打点。評判通りの働きを見せている。この日、スタンドから野原のプレーを見た阪神・池之上格スカウトも「バットの振りが速いし、自分のスイングができている。大きいのも打てるし、目立つよね」と高評価だ。
愛称は「おかわり君」。子供たちから高い人気を誇る男だが、野球に対する姿勢はまじめそのもの。ホームゲームで球場に室内練習場がある時は試合後も必ず居残り特打に励む。「大学などでは自分たちのグラウンドがあるけど、ここにはないですから。練習量が足りないんです」とバットを振り続ける。
「チャンスで1本打てるように。走者がいる時に打てるようにがんばります」きっぱりと言い切った4番を中心に、富山が首位を独走する。

プロフィール

とやま・いしかわ報知
「スポーツ報知」にて富山、石川に密着したスポーツ記事を掲載中。

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