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2007年06月16日掲載

井野口 祐介〜井野口弾で堅首

完ぺきな当たりだった。夜空に高々と舞い上がった打球が重力を無視するかのようにぐんぐん伸びる。1−0の3回2死走者なしから井野口が放った当たりは、もう一歩で場外というソロアーチ。「ちょっと詰まったんですけど。やっと1本出ました」屈強な体を震わせ、笑みを浮かべた。

その一打に4番が奮い立った。「井野口のホームランを見せられたら・・・。全打席狙ってました」と野原。6−1の8回、2死一塁から狙っていた変化球を力強く叩く。ライナーで右翼スタンドに突き刺さる打球。
井野口、野原の2人で6打点をたたき出し、試合を決定づけた。チーム初のアベックアーチに「気持ちいいねー」と鈴木康友監督(47)も満面の笑みだ。

3月29日、茨城ゴールデンゴールズとの初めてのオープン戦では、4番に井野口、5番に野原が座った。だが、次の試合から逆に。そして、そのまま打順を守り通している。私生活でも仲が良く、練習でも一緒の時間が長い2人。その能力を認め合うことで、お互いを高めあっている。
「とにかく、飛距離がすごい」と野原は井野口のパワーを絶賛。5番打者のパワーを絶賛。5番打者の徹底した自己管理も認めている。トレーニングから決して妥協しない。試合前には脂ものを避け、炭水化物を取る。私生活から始まる意識の高さは手本だ。

1日4回、プロテインを摂取するキン肉マン・井野口について「服を脱ぐと筋肉がすごいですよ」と感嘆の声をあげる野原。井野口も、おかわり君・野原の精神面を高く評価。「本番に強い。打席に入った時に集中力がある。自身があるんでしょうね」打率、本塁打、打点の3部門でトップを走る4番のすごさを素直に認める。
結果を出し続けてきたことで、いい意味でのライバル意識も出てきた。「井野口がここまで打ってくると負けられないですね」と野原が話せば、「自分の個人目標が3冠王なので。これから、がんがん打ちますよ」と井野口も続ける。リーグ屈指の2本の長距離砲が、富山の独走を支えている。

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とやま・いしかわ報知
「スポーツ報知」にて富山、石川に密着したスポーツ記事を掲載中。

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