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石川MSさん優勝おめでとう

10月16日、石川県立球場で、2011BCL優勝チームが決定致しました。
石川MSのチーム、スタッフの皆様、石川MSファンの皆様、日頃からご支援いただいている皆様。本当におめでとうございます。
6対0の劣勢をジリジリと追いつき、プレッシャーで自滅する新潟の姿を観戦させていただき、経験が裏打ちする強さに2009年から続く敗者の理由を見せ付けられました。
新潟さんはBCLCS初出場で”勝った!逆王手だ!”が見えてしまったのでしょう。
これを経験したチームは強い。来年同じステージに立った時、新潟さんは同じ間違いを許してはくれないでしょう。
新潟ABCのチーム、スタッフ、応援して下さる皆様、本当にありがとう。
この悔しさは来年晴らしていただきたいのですが、残念ながら、来年は富山サンダーバーズが同じ悔しさを味あわせてしまうので本当に申し分かりません。

観戦できた試合は10月16日1試合でしたが、とてもレベルの高い試合でした。
先発した石川 山下投手は、持ち前のコントロールで内野ゴロとポップフライの山を築き、対富山戦であれば”あれよあれよといつの間にか7回1失点”くらいの絶好調に見えた。
が、平野選手の2ランHRは高目の失投。
失投だけれども、ポップフライではなく2ランHRにしてしまう平野選手が天晴れ。
そして追加点も平野選手。この試合のラッキーボーイは平野選手だったはず。
(実は新潟の追加点は、セカンドゴロWプレーを焦った楠本選手のエラーが原因であり、ミスを許してくれない強いチームの得点でもあった。)
そして、本来であれば間曽→高津の鋼鉄の方程式を持つ新潟の”勝負あり!”だった。

閑話休題
モタ投手が153キロを掲示し、飛ばしに飛ばしていた。
が、ストレートはカットされ、Wスチールは許すし得点も許す。
150キロオーバーのストレートでも、単調になれば新潟打線はきっちり打ってくる。
反面、間曽投手は142〜4キロくらいのストレートも、キレがあるのかカットできない。間曽投手は3安打許しているが”打たれた”ヒットは少なかった。
球速は投手の最大の魅力ではあるが、球速だけが投手の資質ではない。
ソフトバンクHの和田投手が何故空振り三振を多く取れるのか。
野球の奥は深い。

6対0となり、5イニングスを投げ、未だ被安打1の雨宮投手。ピンチになれば間曽→高津リレーが待っており、よほどの間違いが無い限り新潟の勝利。
6回裏2死から四球→ヒット→ヒットで1点を返されるも、まだまだ新潟ペース。
7回裏、隼人がショート→サード、池田がライト→ショート、ライトに木ノ内に交代。
守備を固めたはずのここでミスが出る。
先頭の座親が四球を選び、次打者の佐竹をエラーで無死1・2塁。
小倉は当然の送りバントが投手前への小フライになり、2塁ランナーは2塁へ戻りかける。しかし、雨宮はワンバウンドで捕球し、迷わず楽々アウトの3塁へ送球する。
が、何故か隼人は3塁を踏まずに1塁へ転送しオールセーフ。
無死満塁が完成した。
この後、1番戸田をライトフライに打ち取るも、2番楠本は打ち取った当たりも三遊間最深部で内野安打。なおも1死満塁で現在石川MS最強の男、3番謝敷登場。

このシーンが面白かった。
7回裏1死満塁6対3、新潟3点リードの場面で最も警戒している謝敷。
ここでは内野ゴロを打たせてWプレーを狙うのが常道であろう。
しかし、新潟のシフトは、ショートは若干浅めのサカンドベース寄り(Wプレーシフト)そしてセカンドは深く守りWプレーが取れない守備位置。
即ち、6−4−3も5−4−3もWプレーは不可能の守備体系であり、(推測ではあるが)Wプレーではなく、引っ張りの多い謝敷に対し、ライト前ヒットで2点取られるより、セカンドゴロにして1点はしょうがないが1アウトを取るシフト。
そしてカウント2−2からの5球目。
注文通り外角の変化球に泳がせて、見事に2塁ベース寄りのセカンドゴロを打たせる。
通常のWプレーシフトを敷いていれば、4−6−3でチェンジの打球。
しかし、そこにセカンドはいなかった。
新潟ベンチとしては、セカンドゴロを打たせた雨宮を攻められない。むしろ戦略通り打ちとってのセカンドゴロは見事。引っ張りの多い謝敷のデータ分析も見事。
しかし、結果としては謝敷の打球は2点タイムリーヒットとなり、勝負の流れを引き寄せる一打になってしまった。
雨宮はほぼ完璧な投球だったと思う。6回1/3 被安打5 失点5 自責点1。被安打5も、まともな当たりはほぼなし。新潟ベンチは替えるに替えられない内容であっただろう。
7回の攻防は新潟がエラーで自滅した回であったと思う反面、戦略的な守備体系を含み、本当に面白いイニングであった。
(この試合を観戦された方とであれば、7回裏の攻防だけでお酒が飲める程面白かった。)

8回も先頭の座親に死球(座親はガッツポーズで一塁へ)代走佐野が、送りバント→ヒット→ワイルドピッチで生還し同点。もはや石川の流れは止められず、9回裏の結果はご存知の通り、高津投手のワイルドピッチでサヨナラゲーム。
幕切れはともかく、ミスを許してくれない両チームの戦いは、ミスが多いチームが敗戦した当然の結果であった。(失策 新潟3:1石川)

”ミスした方が負ける”とは言うものの、ここまで勝負の流れが行き来するものだろうか。毎年石川MSの成績を見ると“打率は低く、防御率もそんなに良いとは思えない。でも勝っている“が正直な感想だった。
それでも何故勝てるのか。
それは“ミスを許してくれない”からだろう。
一つのミスを致命傷にしてしまう石川の強かさ。
思い返してみれば、いつも少しのミスを大きなミスに変えられてしまうのが石川戦。
勝敗を決する事柄とは何なのだろう。

野球の奥は深く、素人では到底解り得ないのかもしれないが、一つ一つのプレーを注意深く推測すると実に面白いものです。
このブログを読んで下さっている方や野球関係者の方には“素人が好き勝手言ってやがる”と思われるかもしれませんが、楽しみ方は人それぞれ、こんな観戦の仕方も本当に楽しいものです。だって勝負に正解などないのですから。
そして、来年はミスを減らして石川に付け込まれないようにしたい。
来年は、この熱い戦いを富山県内で開催したい。
いや、するぞ。

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